MacOSX起動ディスクの完全バックアップとリストア
Mac OS X の起動ディスク(起動ボリューム)を完全バックアップし、そのバックアップデータを使ってリストアするには、ディスクユーティリティの復元機能を使う。
ディスクユーティリティの復元機能を使うと、ボリュームの完全な複製(クローン)を作ることができる。
- 復元先を別のハードディスクにすれば、起動ディスクを交換することも可能。(ハードディスクから SSD へ交換など。)そのハードディスクから復元も可能。
- 復元先をディスクイメージにすることもできるので、起動ディスクの完全バックアップを容易に管理することができ、そのディスクイメージを使ってリストアすることも可能。
ディスクユーティリティの復元機能は、起動中のボリュームを復元(バックアップ)することはできないため、Mac OS X インストール CD(DVD)から起動し、ボリュームの復元を行うことで、起動ボリューム(内蔵ハードディスクなど)のバックアップをすることができる。
ディスクユーティリティの復元と同じことをコマンドラインで行うには、asr コマンドと、bless コマンドを使えばできる。(ディスクイメージを作る&マウントするには hdiutil コマンドを使用する。) コマンドラインを使うと、起動中のボリュームのバックアップをすることが可能。
Mac OS X の標準機能を使う方法なので、専用ソフトウェアを買う必要がなく、専用ソフトウェアのバージョンに悩まされるようなことも無く、おすすめ。 |
目次 |
Mac OS X 起動ディスクの完全バックアップ
内蔵ハードディスクの起動ボリュームを、ディスクイメージにして外付けハードディスクにバックアップする方法。
ここで説明する環境
- ソース
- Xserve G5 の内蔵バードディスクにインストール済みの起動ボリューム(Mac OS X 10.4 Server)
- 復元先
- 外付けの Xserve RAID ボリュームにディスクイメージとしてバックアップ
例では Mac OS X Server を使用しているが、サーバ版でなくても同じようにできるし、復元先(バックアップ先)を USB ディスク or Firewire ディスクにしても問題なくバックアップできる。 |
手順
- Mac OS X インストール DVD (CD) で起動する。
- OS のインストールに進まず、メニューにある ユーティリティ » ディスクユーティリティ を起動する。
-
ファイル » 新規 » 空のディスクイメージ... を選び、ディスクイメージを作成する。
- ディスクイメージのフォーマットは、読み込み/書き込みディスクイメージでもスパースディスクイメージでもどちらでもよい。
- サイズは、ソースと同じサイズ(最大サイズ)にする必要はない。
- ソース(バックアップ元ボリューム)の最大サイズが 69.2GB で使用状況が 12GB の場合、ディスクイメージサイズは 12GB あればよい。
- 例では、ソースの最大サイズが 69.2GB なので、サイズが 69.2GB のスパースディスクイメージを作成した。
- ディスクイメージの保存先は、ソース(バックアップ元ボリューム)以外のボリュームに保存する。
- 読み込み/書き込みディスクイメージ
- 固定サイズのディスクイメージ
- ディスクイメージサイズを 10GB 割り当てると、割り当てたサイズと同じ 10GB のサイズの読み書きのできるディスクイメージファイルができる。
- スパースディスクイメージ
- 可変サイズのディスクイメージ
- スパースディスクイメージのファイルサイズは、書き込まれたファイルサイズに可変する。
- ただし、あらかじめ割り当てた最大サイズまでしか書き込めない。
- 可変サイズのため、保存先ディスクを節約することができる。
-
ディスクイメージの作成が完了すると、自動的にフォーマットされ、マウントされる。
- マウントされたボリュームが左ペインに表示される。
-
左ペインにあるボリュームのどれかを選び、右ペインにある復元タブをクリックすると、ソースと復元先を選ぶ画面になる。
ソースにバックアップ元ボリュームをドラッグ&ドロップ
復元先にディスクイメージをマウントしたボリュームをドラッグ&ドロップ
右下の復元ボタンをクリックすると、復元(バックアップ)が開始する。
これで、バックアップは完了。
バックアップしたディスクイメージからハードディスクにリストアする
『Mac OS X 起動ディスクの完全バックアップ』で作成したディスクイメージを元にして、ハードディスクにリストアするには、次のようにする。
手順
- Mac OS X インストール DVD (CD) で起動する。
- OS のインストールに進まず、メニューにある ユーティリティ » ディスクユーティリティ を起動する。
-
ファイル » ディスクイメージを開く... を選び、バックアップしたディスクイメージを開く。
ディスクイメージがマウントされ、左ペインにボリュームが表示される。 -
左ペインにあるボリュームのどれかを選び、右ペインにある復元タブをクリックすると、ソースと復元先を選ぶ画面になる。
ソースにバックアップしたディスクイメージをマウントしたボリュームをドラッグ&ドロップ
復元先に復元したいボリュームをドラッグ&ドロップ
右下の復元ボタンをクリックすると、復元(リストア)が開始する。復元先を消去にチェックを入れると、復元先のボリュームのデータが全て消去され、ソースのデータのみになる。
復元先を消去にチェックを入れないと、復元先のボリュームに、ソースのデータが上書きされる。
バックアップ時の状態に戻すには、復元先を消去にチェックを入れる。ソースでは、ディスクイメージファイルを選択する事もできる。
読み込み/書き込みディスクイメージの場合、ディスクイメージファイルを選択しても問題ないが、スパースディスクイメージの場合は、一度マウントし、マウントしたボリュームを選択しないとエラーになる。
これで、リストアの完了。
コマンドラインを使う方法
ディスクユーティリティを使う方が簡易に復元機能を利用することができるが、コマンドを使う事で、起動中のボリュームについても復元機能を使う事ができるようになる。
バックアップ(クローニング)
- ボリュームのクローニング
sudo asr restore --source /Volumes/SourceVolume --target /Volumes/Backup
例
asr コマンドを使い、ルート / を /Volumes/Firewire ボリュームに復元(リストア)する。(起動ボリュームを別ボリュームに復元する。)
macosx:~ admin$ sudo asr restore --source / --target /Volumes/Firewire Password: Validating target...done Validating source...done Validating sizes...done Restoring... Copying "/" (/dev/disk0s3) to "/Volumes/Firewire" (/dev/disk1s3)... asr: did not copy blessed information to target, which may have missing or out-of-date blessed folder information.
起動可能ボリュームにする
- PowerPC の場合
sudo bless --folder /Volumes/Backup/System/Library/CoreServices --bootinfo
- Intel の場合
sudo bless --folder /Volumes/Backup/System/Library/CoreServices --bootinfo --bootefi
例
別ボリュームに復元しただけでは、そのボリュームは起動ディスクにならないので、bless コマンドで起動ボリュームに設定する。
macosx:~ admin$ sudo bless --folder /Volumes/Firewire/System/Library/CoreServices --bootinfo Password:
BootX ファイルが /Volumes/Firewire/System/Library/CoreServices ディレクトリに作成され、このボリュームを起動ディスクとして使用できるようになる。
リストア
- バックアップボリュームからのリストア
sudo asr restore --source /Volumes/Backup --target /Volumes/NewVolume --erase
- --erase オプションを付けリストア先のボリュームを消去し、バックアップデータを完全にリストアする。