Chromium OS をビルドする

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Chromium OS のログイン画面
Chromium OS のスクリーンショット

Chromium OS のビルド方法はいろいろなサイトで詳解されているが、Chromium Projectに書かれている Getting and building を参考にビルドしてみた。

Getting and building に書かれている Prerequisites, Get the source, Build Chromium OS の順番でやればよい。

目次

Prerequisites

まずは Chromium prerequisites に、Chromium OS をビルドするためのソフトが書かれているようなので見てみる。

Chromium OS をビルドするにはいろいろとソフトが必要になるようだが、Automated Setup(Ubuntu 用)を使ってビルドに必要なソフトをインストールする。(Ubuntu, openSUSE, Fedora などディストリビューションごとに、ビルドに必要なソフトをインストールする方法も詳解されている。)

ここでは、Ubuntu 9.10 (i386) を用意してビルドに必要なソフトをインストールする。

wget http://src.chromium.org/svn/trunk/src/build/install-build-deps.sh
sudo sh install-build-deps.sh

途中、なんか聞いてくるので y を入力。

Gold is a new linker that links Chrome 5x faster than ld.
Don't use it if you need to link other apps (e.g. valgrind, wine)
REPLACE SYSTEM LINKER ld with gold and back up ld? (y/N)

大量にパッケージがインストールされる。

Get the Source

Getting the Chromium OS Source Code

二通り方法があり、tarball を使うか、Chromium depot tools を使うか、どちらでもよい。

手軽に tarball の方法でやることに。

Chromium OS source tarball をダウンロードして chromiumos という名前のディレクトリに解凍しろということなので、次のようにシンボリックリンクを作る。

cd ~
wget http://build.chromium.org/buildbot/archives/chromiumos-0.4.22.8.tar.gz
tar xzf chromiumos-0.4.22.8.tar.gz
ln -s chromiumos-0.4.22.8 chromiumos

Building Chromium OS

Build Instructions

Chromium OS をビルドするには、ローカルリポジトリを作り、chroot されたビルド環境内で Chromium OS をビルドするようになる。

ローカルリポジトリを作る

cd ~/chromiumos/src/scripts
./make_local_repo.sh

結構時間がかかる。

chroot: cannot run command `reprepro': No such file or directory

となってしまう場合、パッケージマネジメントの競合が原因のようなので、次のコマンドを実行すると回避できる。[1]

sudo rm -rf ~/chromiumos/repo
./make_local_repo.sh

なお、Ubuntu 9.10 (Karmic) 以外の場合は、ローカルリポジトリの作成方法が違うようで、その方法も書かれている。

chroot 環境の作成

Chromium OS は chroot 環境でのみビルドできるので、chroot するためのビルド環境を構築する。といってもスクリプトを実行するだけ。

./make_chroot.sh

Chromium OS をビルドする

Chromium(ブラウザ)をビルドすることもできるようだが、Chromium(ブラウザ)のバイナリがあるようなので、ビルドせずにバイナリをダウンロードする。

mkdir -p ~/chromiumos/src/build/x86/local_assets
wget -O ~/chromiumos/src/build/x86/local_assets/chrome-chromeos.zip http://build.chromium.org/buildbot/archives/chromium-chromiumos-r32516.zip

ビルド環境に chroot する。(シェルのプロンプトが変わる。)

./enter_chroot.sh

次の二つをすると、Chromium OS をカスタマイズをしやすくなる。

USB ブートさせて使う場合(仮想環境ではなく実機で使う場合)などは、次の二つの設定をしておかないとネットワークにつながらないため、Chromium OS にログインすらできなくなる。

Chromium OS のローカルユーザーアカウントを有効にする
これはセキュリティ上の理由から非推奨で、デフォルトでは無効になっている。
Chromium OS にログインするには Gmail アカウントを入力する必要があるため、ネットワークに接続していない状態では Chromium OS にログインできない。(Chromium OS を使えない。)
Gmail アカウント以外でも Chromium OS にログインできるようにするためには、ローカルユーザーアカウントを有効にしておく必要がある。
ローカルユーザーアカウント名は任意に決める。(例えば Administrator などにする。)
cd ../platform/pam_google && ./enable_localaccount.sh Administrator
共有ユーザー用パスワードの設定
共有ユーザー用パスワードとは、Chromium OS のターミナルで sudo する時に使う。
cd ~/trunk/src/scripts
./set_shared_user_password.sh

ビルドする。

./build_platform_packages.sh
./build_kernel.sh

一瞬止まったかのようになるが、ビルドが始まる。結構時間がかかる。

ディスクイメージをビルドする。

./build_image.sh

ディスクイメージは ~/chromeos/src/build/images/999.999.33109.075017-a1 にできる。 (999.999.33109.075017-a1 の部分はバージョンかも?)

chroot 環境からぬける。

exit

USB メモリにコピーする

USB メモリは 4GB 以上ないと容量不足となりコピーできない。

Chromium OS のディスクイメージ名や、USBメモリのデバイス名は適宜指定する。

./image_to_usb.sh --from=~/chromiumos/src/build/images/999.999.33109.075017-a1 --to=/dev/sdb

VMware 用ディスクイメージを作成する

VMware 用デォスクイメージを作るには qemu-img コマンドを使うので、qemu をインストール後にディスクイメージの作成をする。

sudo apt-get install qemu
./image_to_vmware.sh --from=~/chromiumos/src/build/images/999.999.33109.075017-a1

しばらくすると ~/chromiumos/src/build/images/999.999.33109.075017-a1/ に VMware 用ディスクイメージ ide.vmdk ができる。

後片付け(chroot 環境の削除)

rm -rf で削除しないようにとの事。

./make_chroot.sh --delete

後片付け後は、./make_chroot.sh のところから再開できる。

ダウンロード

今回ビルドした Chromium OS

Chromium OS ソースコード
chromiumos-0.4.22.8.tar.gz
Chromium バイナリ
chromium-chromiumos-r32516.zip
ローカルユーザーアカウント名
Administrator
共有ユーザーパスワード
なし
VMware ディスクイメージ
ChromiumOS_999.999.33109.075017.vmdk.zip(312.6MB)
解凍すると 729MB になります。
VMware PlayerVirtualBox 用の仮想ディスクイメージです。
USB メモリ用ディスクイメージ
ChromiumOS_999.999.33109.075017.dd.zip(392MB)
解凍すると 3936MB になります。
USB メモリを DDforWindows でイメージ化したもの。
ここに書いてあるのと同じ要領で USB メモリに書き込むと、USB ブートする Chromium OS が完成します。

参考ページ

脚注

  1. Getting and Building a Chromium-Based OS‎ > Build Instructions > Make your local repository
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