1台のHDDに2つLinuxをインストールする(マルチブート)
1台の HDD に CentOS 4 と 5 を両方インストールし、ブート時に切り替えて使うようにするためのインストール方法。
CentOS 4 用と 5 用のルートパーティションを分けて作り、swap と /home を共用するようにパーティションを切る。
CentOS 4 をインストールし、後から CentOS 5 をインストールする手順。(順番はどちらからでもOK)
- CentOS 4 はブートローダーを MBR にインストールする。
- CentOS 5 はブートローダーを ブートパーティションの最初のセクタ にインストールする。
目次 |
CentOS 4 のインストール
ディスクパーティションの設定
ディスクパーティションの設定で、次のようにパーティションを切る。 (容量は任意で良いが、後で CentOS 5 をインストールするので空きを残しておく。)
デバイス | Mount Point | タイプ | フォーマット | 容量(MB) |
---|---|---|---|---|
/dev/hda1 | / | ext3 | ✓ | 4001 |
/dev/hda2 | swap | ✓ | 2000 | |
/dev/hda3 | /home | ext3 | ✓ | 24725 |
空き | 自由領域 | 4001 |
ブートローダーの設定
デフォルト設定では、ブートローダーが MBR(マスターブートレコード)にインストールされる。
そのため、特に設定はしないが(デフォルトのまま)、ラベルを編集し、わかりやすい名前にしておくと便利。
ブートローダーの設定以降は、任意にインストールの設定をする。
CentOS 5 のインストール
インストール CentOS を選ぶ。(既存インストールのアップグレードではない。)
パーティションの設定
パーティション設定で、カスタムレイアウトを作成します。 を選ぶ。
次のようにパーティション設定する。
- /dev/hda3 パーティションを選択し、マウントポイントを /home にして、変更しないで残す(データを保存) にチェックする。
- 新規でマウントポイント / のパーティションを作成する。
結果、パーティションは下記のようになる。
デバイス | Mount Point | タイプ | フォーマット | 容量(MB) |
---|---|---|---|---|
/dev/hda1 | ext3 | 4000 | ||
/dev/hda2 | swap | 2000 | ||
/dev/hda3 | /home | ext3 | 24725 | |
/dev/hda4 | 拡張領域 | 4000 | ||
/dev/hda5 | / | ext3 | ✓ | 4000 |
ブートローダーの設定
次のようにブートローダを MBR 以外にインストールする。
- GRUB ブートローダは、/dev/hda 上にインストールされます。 にチェックする。
- 高度なブートローダオプションの設定 にチェックを入れ、次 ボタンをクリックする。
- ブートローダの記録をインストール場所: で、/dev/hda5 ブートパーティションの最初のセクタ を選ぶ。
- 次 ボタンをクリック。
これ以降のインストール設定は任意におこなう。
ただし、このままだと CentOS 4 しか立ち上がらないので、CentOS 4 起動後に GRUB の設定をおこなう。
GRUB ブートローダの設定
CentOS 4 の grub.conf に CentOS 5 のブート設定を追記する事で、起動時に CentOS 4 で起動するか CentOS 5 で起動するか選べるようにする。
GRUB の設定は /boot/grub/grub.conf に書かれている。
CentOS 4 起動後は、CentOS 5 のパーティション(/dev/hda5)をマウントしていない状態になっているのでマウントする。
[root@centos4 ~]# mount /dev/sda5 /mnt
CentOS 5 の grub.conf は /mnt/boot/grub/grub.conf になる。
[root@centos4 ~]# cat /mnt/boot/grub/grub.conf
/mnt/boot/grub/grub.conf の title 以下の部分を /boot/grub/grub.conf に追記する。
/boot/grub/grub.conf は次のようになる。
default=0 timeout=5 splashimage=(hd0,0)/boot/grub/splash.xpm.gz hiddenmenu title CentOS4 (2.6.9-78.ELsmp) root (hd0,0) kernel /boot/vmlinuz-2.6.9-78.ELsmp ro root=LABEL=/1 initrd /boot/initrd-2.6.9-78.ELsmp.img title CentOS4-up (2.6.9-78.EL) root (hd0,0) kernel /boot/vmlinuz-2.6.9-78.EL ro root=LABEL=/1 initrd /boot/initrd-2.6.9-78.EL.img title CentOS5 (2.6.18-128.el5) root (hd0,4) kernel /boot/vmlinuz-2.6.18-128.el5 ro root=LABEL=/ initrd /boot/initrd-2.6.18-128.el5.img
これで起動時に CentOS 4 と CentOS 5 を切り替えることができるようになる。